9月6日に北海道で発生した地震に関しまして、被害に遭われた方には、心からお見舞い申し上げます。
ニュースなどでは、「地震の少ない北海道でなぜ?」という話題が見受けられます。
発生メカニズムなど、科学的なことは分かりませんが、リスクマネジメントの観点から考えます。
少し難しい話です。
地震の予測(発生確率)では、J-SHIS(http://www.j-shis.bosai.go.jp/map/)が有名です。
J-SHISでは、「確率論的地震動予測地図」を確認することができます。なんだか難しい用語ですね。
この「確率論的地震動予測地図」は、J-SHISのサイトで、以下のように定義されています。
ある地点で、ある期間(ここでは、今後30年または50年)内に想定される揺れの大きさを超える確率を「超過確率」といいます。確率論的地震動予測地図は、揺れの大きさとその超過確率のうち、一方の値を固定して、もう一方の値を示した地図です。例えば、30年超過確率3%の地表の震度を示した図では、「各地点で、その地震動(震度)以上の揺れに見舞われる確率は、今後30年間で3%です」という意味になります。確率論的地震動予測地図には、平均活動間隔や最新活動時期の中央の値を用いて地震発生確率を計算する「平均ケース」の地図と、評価された地震発生確率の最大値を用いる「最大ケース」の地図があります。
J-SHISで確認すると、今回地震の起きたエリアでは、30年以内に震度6以上の地震が発生する確率は、「平均ケース」で3%~4%程度となっています。
この確率を低いとみるか、高いとみるか、難しいところですが、低いとみる方が多いかもしれません。
低いとみてしまう理由の一つに、「正常性バイアス」という考えがあります。
「正常性バイアス」とは、災害心理学などで用いられる用語で、簡単に言えば、「自分に都合の悪い情報を過小評価してしまう」、という人の特性を指します。
J-SHISのデータを客観的判断ではなく、
「今まで起きてないのだから、3%なんて大したことない。ここは大丈夫。」
というような判断をしてしまうことを意味します。
地震以外にも自然災害は年々増えています。万が一の時、被害を最小限におさえるために、日頃から準備したいですね。
※著作権があると思いますので、データは載せません。J-SHISのサイトから確認してください。