2017年8月29日午前6時頃、北朝鮮から発射された弾道ミサイルが、北海道上空を通過し、太平洋上に落下しました。
さて、ミサイル本体、もしくはミサイルからの落下物で被害が出た場合、保険の適用はどうなるのでしょうか?
損害保険では、
「外国の武力行使、革命、政権奪取、内乱、武装反乱その他これらに類似の事変または暴動に起因する損害/賠償責任」
を免責、つまり補償の対象外としています。
ミサイルで車や家が壊れた(自動車保険や火災保険)、従業員がケガをした(労災保険)など、全て対象外となります。
しかし、このミサイルが戦争目的ではなく、人工衛星ロケットなどの場合は、
「物体の飛来、衝突」、「不測かつ突発的な事故」
として補償の対象となります。
※特約として補償されていた場合
武力としてのミサイルなのか?平和利用のロケットなのか?
この判断は、国際情勢や日本国政府の見解などを踏まえ、保険会社が総合的に判断します。
生命保険も同じ考え方です。
ここで注意が必要なのが、「免責 = 支払わない」ではないということです。
免責とは「保険会社が支払いの責任を負わない」というもので、例えば地震や津波も免責となっています。
しかし、2011年の東日本大震災などでは、生命保険は保険会社の判断で支払いとなっています。
損害保険は、地震が対象となっていた場合(地震保険など)は、当然支払いとなっています。
2つの保険には、
「事故が起きた原因」を選んで補償を設計する損害保険 vs.「事故が起きた結果」を選んで保障を設計する生命保険
という大きな違いがあります。そのため詳細は少々複雑なので、それはまた別の機会に書こうと思います。